Rebuilding 2 Resonance competition

participative installation, 2016
PIF camp,soca,Slovenia 

Wood, Subwoofer etc.
Holz, Subwoofer u.z.w.
フロア用木材、廃材、サブウーファー他

It starts from state of our mind against Natural Disaster, after many earthquakes.
Rebuild and repair if it is broke.That is how our ancestor keep our society.

the first workshop in osaka, i just made table that has 5 sub woofer under the table, and shake if i made some sound.
i let audience to build some construction and i try to shake it down with the sound.
This time i build some construction, and musician and participant try to shake it down.

So that action of "rebuild" become my performance, and i could also make specific building to add some stories to the destruction.
to share the experience with more people, i decide to make an announce of "resonance competition".

1minite, same volume just one by one, and if it is break, it`s over.
about 8 people tried to break the tower and some really shake the tower to hop.
And right after the tower fell down, i rebuild another one. and this tower stays until the moment that i left space.
one of the organiser of the camp told me that i could leave and he wanted to destruct by himself.


大阪で行ったワークショップでは子供を対象として、積み木を使って塔を作り、それを私が地震を起こして崩そうとするという図式で行ったが、今回は私が「また作る」役割を担い、中心となって塔を作り、コンペティション参加者はこれを制限時間1分以内に限られた音量で崩す為に、塔とシミュレーターの固有振動数を探すという趣旨で最終的に実施した。

幸い、ハッカーキャンプということでアナログシンセサイザーを作るワークショップがあったり、他の企画の参加者等、ほとんどの人がスマートフォンやコンピューターなどに何らかのシンセサイザーを持っていて、この特殊な企画に参加できる環境だったことが着想のきっかけだったことは言うまでもない。

スロヴェニアも過去に大きな地震に襲われたことがあり、リュブリャナのシンボルである竜も、そこから想起されたところも少なからずあるのかもしれない。

スロヴェニアの人たちは一様に日本の地震について、または復興について大きな関心を持っていた。


1番目の塔
バロック的なドーム建築的な塔

大阪でのワークショップではアンプの出力が強すぎ、3個のウーファーを燃やしてしまい、大きな塔はほとんど崩せなかったので、システムの確認も兼ねてのテスト。
横揺れを再現するためにテーブルのサイドにつけたスピーカーはこのとき焼けてしまった。

2番目の塔
スロベニアの首都、リュブリャナのスカイスクレーパー ネボティチュニクを模した塔

ゴジラに自分の町を壊して欲しいと思う人がいるように、豪快に崩れたリュブリャナのランドマークに歓声を上げて喜んでいたのは、当のリュブリャナの人達だった。

1930年代に建てられ、当時バルカン半島で一番大きかったというユーゴスラビア王国時代の建築物に対する若い彼らの思いはどのようなものか、想像に難くない。
音を出したサウンドアーティストのポーランド人のカスパーとアイスランド生まれのアレックスは、音楽家らしく5分ほどの短い時間の中に序破急的な導入部と、音的に面白い聞かせる部分と、盛り上がる部分を持ってきて、塔の崩壊をドラマティックに演出した。

3番目の塔

五重塔にも見られ、スカイツリーに継承された、2重シリンダー構造の塔
ブロック一つ一つの摩擦を大きくするために、円形に重ねた結果、若干オーガニックになった塔は、木の幹というより巨大な男性器のような異様な出で立ち。シミュレーターの上に乗った状態で2.5mほどの大きさであり、ラスボス的な壊したい要求をかき立てるようなコンペティションにふさわしいオブジェクトになった。

ここで固有振動数当て選手権のアナウンスを行い、参加者を募った。
予め声をかけておいた数人に飛び入りの参加もあり、参加者は合計9人。

一定の音量で、1分間。一人ずつ順番に挑戦し、崩れたら終了。

スマートフォンのアプリを使ってサインウェーブ出力した人が二人ほど、バスタライムズかけたツワモノも。アナログシンセサイザーを使って音を出した人が二人、夜のパーティーに呼ばれてきていたDJもコンピューターからやばいノイズ出したり、でかいウーファーを提供してくれたP.Aさん、なにやらバイオテックなプロジェクトの紹介していたメキシコ人の女性アーティストなど、みんなガタガタと揺らしていましたが、5人ほどが終わった段階で、内側の塔が崩れ、外側の塔の中に瓦礫がたまり、だいぶ安定していました。

8人目、二つ目の塔を崩したポーランドのカスパーは、ガタガタと揺れる固有振動数に数秒で到達すると、その倍数、3倍数と大きい揺れを起こし、音量はさして出ていないのに、塔全体を大きくバウンドさせることに成功しました。が、塔の一部を壊してタイムアウト。
最後を飾ったのはアメリカからのワークショップ参加者によるマイクとスピーカーのシンプルなハウリングでした。


全ては、「また作る」ため。
演出の必要性から「また作る」為にはその都度、壊さければならない。
解体と創造は通常人目につかないところでこっそり行うが、ここでは創造と維持と破壊が等価に存在し、見る者それぞれに別の価値が生まれていたように思う。

キュレーターのヤニさんは、僕が作る塔を造形作家が作る作品としてリスペクトしてくれて、僕が子ども達に手伝いを頼んだりするたびに、そっと「遊んでるように見えるけど、遊びじゃないから、あっちで遊んできなさい。」的な感じに子ども達を追い払っていた。
できた塔も、本当は子どものイタズラや、無配慮の偶然で簡単に壊れると思っていた。

そして、壊れるたびに作り直すというのが、実は当初の目的だったし、パフォーマンスの一環になると思っていたが、配慮深いスロベニアの人たちは、うっかり当たった、ということもなく、最終日に僕が空間を後にする瞬間まで、塔の維持に協力してくれた。

一方音楽系の人たちは、「次はいつ壊すんだ?」と壊す対象として塔を見ていて、「僕だったら5秒で壊せるよ。」と次は俺にやらせろ的な声かけは何回も貰った。
子ども達は、「また次作るなら手伝うよ。」と可愛いことを言ってくれたが、上記の大人達の鉄壁ガードの前に、解体できないから作れず、もどかしい表情を浮かべていた。


4番目の塔

最後の塔は、3番目の塔が崩れたすぐ後、片付けを手伝ってくれた子どもやコンペティション参加者と一緒に作った。
最後は何でもありの複雑で、オーガニックな塔。みんなのアイディアを取り入れて、無計画に作った。
無計画だけにちょっと傾いたりしていたが、最後の夜の後みんなが寝静まった後に片付けようとすると、サウンドエンジニアでもあるオーガナイザーのうちの一人が、「とんでもない!」「これは最後に僕が片付けるよ。」というので、結局そのまま残して来た。


Rebuild2壊れてもまた作る